
2024年にお引渡しさせていただいた鹿追の農家住宅、Tさま邸です。屋根の頂上から前後に傾斜する切妻屋根をベースに、正面にも三角屋根を組み合わせ、立体感のある外観にしています。

屋根材は耐久性、意匠性に優れるアスファルトシングルを採用。煙突は外観デザインを高めるためのダミーです。外壁は塗り壁。屋根のアスファルトシングル、外壁の塗り壁はどちらも再塗装やコーキングなどのメンテナンスしなくても20年以上、ほとんど支障が発生しないという意味で維持管理コストを抑えることができ、美観も損なわないという意味でおすすめです。

玄関ドアは既成の断熱ドアで、高さが2.3メートルの製品ですが、家全体のバランスを踏まえ、高さを25センチカットしています。

玄関ホールも左官職人による塗り壁で、コテの模様や立体感があたたかみを感じさせます。ウォークインクローゼットとの間はレースのカーテンで優しい印象に。

床は無垢のパイン材。写真右側は、梁が必要だった部分を、アールの垂れ壁にして、かわいらしく部屋を区切っています。

キッチンは、対面のアイランドキッチン。リビング側の腰壁は白に塗装した羽目板を施工し、キッチン後ろの部分もアイアンブラケットの棚を設置してフレンチカントリーテイストの素敵な空間に仕上げました。

既製品のキッチンは、背面の食器棚とテイストを合わせるために造作の扉と交換。清潔感のあるチセオリジナルの可愛いキッチンになりました。

リビングに隣接する客間は、床の高さを上げ、垂れ壁も作って特別な空間を演出しています。

リビングの窓は、アンダーセンの木製上げ下げ窓を3連で配置し、室内側からも屋外側からも均整の採れたデザインにしています。アンダーセンの窓は室内側はデザイン性と断熱性能が高い木製ですが、外側は耐久性に優れるPVCで被覆されているので、ほぼメンテナンスフリーです。

洗面台は建て主様の要望を伺い、面材などは造作。壁面のアクセントとして、ランタン型のモザイクタイル「コラベル」を採用しました。

洗面と脱衣室の壁は、フィンランドのブランド「marimekko(マリメッコ)のクロスを採用。

モザイクタイルをアクセントにした腰壁のあるトイレ。収納も造作しています。

農家住宅なので勝手口を用意し、床はコンクリートの土間にモルタルを施工し汚れや濡れに強い仕様にしました。また勝手口のすぐそばに汚れものを洗いやすいスロップシンク(SKシンク)を設置したほか、洗濯機も設置できるスペースを確保しています。

一階には打合せや事務作業をする書斎も設けています。

窓から十勝の農村景観、そして天窓からは十勝の雄大な空を眺めることができます。

2階の部屋は屋根の傾斜を活かした形状に。

毎日心地よく暮らすための住まいです。間取りやデザインはもちろん、照明、水栓、ニッチなど1つひとつを丁寧に建て主様と打合せを重ね、愛着のわく住まいになるためのお手伝いをさせていただきます。
