
音更町で農業を営む3代目のご主人と奥さま。小豆、大豆、小麦、ビート——十勝の大地で作物を育て、息子さんへと農業を引き継いでいくご家族です。もともとの家は35年ほど前に建てたもので、隣接する別棟には、おじいちゃんおばあちゃんが住む家もありました。
3世代が同居できる住まいを建てると決めた時、奥さまが真っ先に思い浮かべた住宅会社は帯広のcubeチセでした。
10年以上前から、ずっと憧れ
奥様がcubeチセの存在を知ったのは、じつに20年ほど前のことでした。2005年頃、自宅を少し増築した際はcubeチセの存在をまだ知らず、別の工務店に頼みました。

当時は、その後家を建てる予定はなかったのですが、近隣にポツリポツリとおしゃれな家や美容室が建ち始めるのが、どうしても気になって仕方なかったそうです。「その建物は全部cubeチセさんが建てた家だったんです」。

特に忘れられなかったのが、士幌町で見かけた素敵なレンガの家(上の写真)。
「どこで建てたんだろうってインターネットで調べたら、cubeチセさん。そこから、もし、いつか息子が家を建てるならcubeチセさんにお願いしたらいいのにね、ってずっと夫婦で話してたんです」。
「夢みたいな、憧れみたいな」気持ちで眺め続けていたcubeチセの家が、まさか自分たちの家になる——いざ建てることが決まると、迷いは一切ありませんでした。他の工務店と比べることも、見積もりを並べることも、まったく考えなかったといいます。
ホームページのお問い合わせフォームから社長宛にメールを送りました。「もうラブレターみたいな感じで(笑)。見積もりしてもらえませんか、って」。
夢のレンガ、そして塔のある家

前の家も、じつはレンガ風に見えるようサイディングで仕上げてありました。「レンガに憧れてたけど予算がなくて、ずっとレンガ風のサイディングで我慢していたんです」。だから今回の家づくりで絶対に譲れなかったのが、本物のレンガ外壁でした。

そしてもうひとつ。「塔のある家を実現したかったんです」。

外観を見れば一目でわかります。堂々たるレンガ積みの八角形の塔が、この家のシンボルです。アーチ型の開口部から十勝の広大な農地と空が見渡せる、まるでヨーロッパの館のような佇まい。花火大会では大きな花火を特等席から眺めることができます。

アールに仕上げたレンガの玄関ポーチや、ドーマー窓が並ぶ大屋根、白いモールディングとのコントラスト。奥様が長年、住宅雑誌などを見て、想い描いてきた家が、そのまま形になりました。

息子さん宅の玄関や裏口がある北側のポーチもレンガをアールに貼って仕上げています。
先日タクシーに乗った時、自宅の場所を伝えたら「ああ、あのメルヘンの家ですねって(笑)。タクシーの人も我が家を知っていました」。
三世帯、それぞれの暮らしを尊重した設計
この家は3世帯住宅なのでキッチンやトイレ、お風呂などはそれぞれ3つずつあり、玄関は、農家住宅なので勝手口も含めると4つあります。
「合同で暮らすというより、プライバシーを大切にしながら、いつでも行き来できる感じにしたかったんです」。
農地を宅地に変換するための農地転用許可、3世帯分の設備配置、予算内での工夫——課題は少なくありませんでしたが、打ち合わせを重ねながら一つひとつ解決していきました。着工は2024年4月、完成は同年11月。引き渡しを受けた時の気持ちを奥様に聞くと、「もう大満足の一言です」と返ってきました。
奥様の好みが、細部まで宿る家
家の中に入ると、各部屋のこだわりに目を奪われます。
奥様の好みは「ヨーロピアンカントリー」。そんな奥様にとって、この家は長年の夢の結晶でもあります。

塔の内側に位置する八角形の部屋には、淡いフローラル柄の壁紙と白いモールディングの腰壁が広がり、花びらを模した照明がやわらかく灯ります。
当初、ご主人は必要ないと考えたこの部屋でしたが、いざ完成してみると農機具屋さん、役場の担当者、農家仲間——ご主人のもとに訪ねてくる人たちを案内する部屋として大変重宝しているそうです。「リビングなどにお客様を案内するとなると、日頃から綺麗にしておかないと、と思いますが、愛犬と暮らす家ではどうしてもいつも綺麗にしておけない時もあるので、専用の客間があって大変助かりました。この部屋の腰壁は羽目板張りかなと思っていましたが、末守さんが綺麗なモールディングを提案してくれて、それが良かったと思います」と奥様は話してくれました。

奥様が長年憧れていたウィリアムモリスのピンパーネル柄。同じくウィリアムモリスの深いグリーンの壁紙とコーディネートして奥様の寝室におさまりました。


1階のトイレは奥様の大好きなムーミンの壁紙、ガラス製の照明がとても似合います。

洗面室はウィリアムモリスのデイジーという植物柄の壁紙を。緑のモザイクタイルや造作の収納など細部にこだわりがあります。
両親の居住スペースは

おじいちゃんおばあちゃんの居住スペースは、キッチンはIHではなく使い慣れたガスコンロを採用しました。ふたりとも80代で、仏壇などの火の始末、転倒、誤嚥など介護面の気配りが必要です。「別棟では、もし倒れた時に気づけない。家の中で繋がっているので食事の際など心配な時間帯には様子を見てサポートできます」と奥様は言います。

和室は花柄のクロスと青畳の組み合わせで、続き間にするとゆったりとした広さになります。仏壇を配置し、親戚が集まったりする空間としても役立っています。引き渡し後の新築祝いには近所の農家さんや親族がおよそ70人も駆けつけ、盛大な集まりになりました。「この地域では家を新築した際、知人やご近所さんをお招きして、お食事をふるまったりする慣習があって、私もお邪魔したことがあり、両親も、同じようにしたいと話すので、今回、我が家もお招きしました」

息子さんの空間はシンプルモダンに

一方で息子さんの空間はすっきりと白基調にまとめ、将来お嫁さんが来ても暮らしやすいようにと考えました。細かいところも、それぞれの希望に合わせて丁寧に設計されています。

A様のトイレにはムーミンがいましたが、息子さん世帯のトイレの壁紙には、さりげなくミッキーがいます。
住んでわかった、この家の心地よさ

新しい家での暮らしが始まって、奥様がまず感じたのは「あたたかい」ということでした。以前の家は古い部分の断熱が弱く、冬場は寒くて困っていたといいます。「前の家は本当に寒かった。今は全然違います。2冬過ごしましたが、部屋のどこにいても寒さは感じませんし、結露もないですね」。

窓の掃除もしやすくなりました。以前の家は外から脚立を立てて、モップを伸ばして届かない部分は諦めるしかありませんでした。
新居は、断熱性・気密性に優れた樹脂の上げ下げ窓で、ガラス面が回転するので室内側から外側のガラスを拭けます。「年末に一人で全部拭けるくらい。すごく楽になりました」。

農作業から戻ったご主人が直接入れる裏玄関には、大きなシンクと作業着用の洗濯機を別に設置しました。泥だらけの長靴や作業服を、居住スペースに持ち込まずに済みます。「農家には本当にありがたい設計です」と奥さま。
完成した家に住んで思うことは?

「ご近所の方に家を褒めていただくことが多いので、私たち、そして両親も喜んでいます。玄関ホールは、吹き抜けになっていて正面の階段や、シューズクローゼットのRの壁、全面の塗り壁などが特に好評です」
「私の好きなものをたくさん採用していただきましたし、その要望をインテリアコーディネーターの末守さんがプロの目線でうまくコーディネートしてくれるんです。お客様が特に褒めてくれる場所は、たいてい彼女のアドバイス、コーディネートで整えていただいたところです。さすがプロだと思います」

「後悔するところが、ひとつもない」
「後悔するところがひとつもないんです。みんなに褒められるし、自分でも大満足しています」。
長年のあこがれだったレンガの外壁、ずっと夢見ていた八角形の塔、欧州カントリーの世界観が宿る内装、三世代がそれぞれに快適に暮らせる間取り——そのどれもが、cubeチセとの打ち合わせを重ねる中で形になっていきました。
「ホームページの施工例の写真を見て、社長の顔も知らないままcubeチセさんにメールしたんです。蓑島社長にも末守さんにもお会いしたことはありませんでしたから。でも思い切って飛び込んで本当に良かった」。
自分の好みをとことん聞いてもらえて、プロの目でさらに良くしてもらえる。「こういうおしゃれな家を建てたいという気持ちがあるなら、まず一度連絡してみるといい」と話してくれました。
音更の広い空の下、十勝の農地に囲まれたレンガの家が今日も美しく佇んでいます。
北海道十勝・帯広でヨーロピアンカントリーテイストの家づくりを行っている住宅会社・cubecise(キューブチセ)です。
