【十勝・帯広】家の屋根はどう決まる?|素材・勾配・形の選び方【工務店が解説】

100年古材とキッチンカウンターがある家 帯広市Hさま邸 

屋根は、家の表情をつくる大きな要素です。そして同時に、十勝の雪や風雨から家を守る役割もあります。

今回は、cubeチセが実際に建てた住まいを見ていただきながら、素材、勾配、形、軒の出、天窓、煙突などの屋根まわりも併せてお話しします。

音更町S邸|急勾配の三角屋根が、室内の吹き抜けをつくる

吹き抜けリビングと南向きサンルームのある家|音更町Sさま邸

三角屋根がふたつ連なる外観です。急な勾配で立ち上げた屋根が、ヨーロピアンカントリーらしい美しさを生んでいます。リビングは大きな吹き抜けで、屋根の勾配をそのまま活かした板張りの勾配天井。その天井に天窓を設けることで、家の奥まで光が届きます。

士幌町Oさま邸|ドーマーと煙突で、様式をつくる

 ドーマーと煙突が並ぶジョージアンスタイルの家|士幌町Oさま邸

イギリスのジョージアンスタイルを取り入れた住まいです。左右対称に配置した煙突と屋根の上に等間隔で並ぶ3つのドーマー(屋根窓)が、ファサードにリズムを生んでいます。

中札内村Kさま邸|白い壁に、ブルーの屋根

十勝・中札内村の「トカプコーヒー」

住宅兼店舗として建てた、珈琲専門店「トカプコーヒー」です。白の塗り壁に映えるブルーの屋根とブルーの玄関ドア。等間隔に並んだ上げ下げ窓の外観に似合うシンプルな切妻屋根。軒の出を短くした南欧風のデザインです。

上士幌町 ピザと宿「咲色 -Sairo-」|12寸の急勾配

大阪から北海道上士幌へ移住 ピザと宿「咲色 -Sairo-」&家づくり

お客さまが「フランスの田舎町のような家」を希望されたことから生まれた一軒です。設計担当が現地で見た家々をもとにデザインしました。

屋根勾配は12寸。正面から見える屋根は左右の先端部分だけ勾配を変えることで、独特の可愛らしさが生まれました。お客様のこだわりで電線は地中に埋めています。

広尾町 チーズ工房兼カフェ「もぐもぐ」シンプルな切妻屋根の組み合わせ 

十勝の広尾町「チーズ工房もぐもぐ

カフェのある東側の外観。こちらは2つの切妻(きりづま)屋根を合わせたシンプルなデザイン。昔の小学校のイメージです。

一方、住宅側は天井を高くしたリビングや張り出したダイニングキッチンなど、間取りにあわせてさらに3つの切妻屋根を組み合わせています。平屋ですがメリハリのある外観になりました。

帯広市Nさま邸ほか パラペット(立ち上がり)を設けたフラットな屋根

三角屋根ばかりではなく、シンプルなデザインの住宅の場合フラット屋根を採用することもあります。屋根自体は雨の落とす側からしか見えないパラペットを設けた屋根はシンプルな住宅の外観をより際立たせます。

スキップ構造が楽しいアーバンスタイルの家 帯広市Iさま邸

北欧テイストのナチュラルモダンの家/音更町Nさま邸

屋根の形は、間取りや意匠、コストの総合提案

cubeチセは、家のデザインに関心の高いお客さまからの家づくりをお受けすることが多い工務店です。「屋根」に関してもお客様の好みやイメージに合わせてプランニングしています。

冒頭のたくさんの事例のように間取りとデザインのバランスを踏まえて、さまざまな形状の屋根をご提案しています。

屋根の傾きは「寸」で表し、数字が大きいほど急勾配です。勾配を緩くすれば、屋根の面積が小さくなるためコストは下がり、逆に急にすれば面積が増え、材料費も手間も増えます。

急勾配と緩勾配、どちらがいいとは一概には言えませんが、屋根を立ち上げるほど、絵本に出てくるような三角屋根の可愛いらしい表情が生まれます。

とくに平屋の場合は、勾配が緩いと、正面から見ても横から見ても平たく見え、のっぺりとした印象を与えるので、ある程度勾配を取ることが多いです。

屋根材ーアスファルトシングルについて

三角屋根、塗り壁、薪ストーブの可愛いおうち|帯広市Kさま邸 

cubeチセの住宅で最も多く使っている屋根材が、アスファルトシングルです。ガルバリウム鋼板の上に細かな石粒を貼り付けた素材で、表面の石が紫外線や雨から下地を守ります。マットな質感で、cubeチセが得意とするヨーロピアンカントリーの外観ともよく合います。

高い耐久性と高い防火性能

アスファルトシングルの芯材は、無機質のグラスファイバーで出来ており、製品のねじれや変形を防ぎます。さらに良質のアスファルトを使用することで、より高い防水性や高い防火性能、長い耐久性、柔軟性をもたらしています。

北海道と共通する寒冷な気候の地域も多い 北米を中心に広く普及している、代表的な屋根材です。 

また、曲面になじみやすく自由度の高い設計を可能にします。

その他の屋根材

板金(ガルバリウム鋼板)は、価格面では最も安く上がります。シャープな印象になるため、モダンな外観を目指す場合には向いています。

パラペット屋根の時も使うのは板金屋根です。

アスファルトシングルに比べてコストは安いですが、10年に1度を目安にメンテナンスが必要になるのでトータルに考えるとむしろ高くなるかもしれません。

軒の出について

軒を出す目的のひとつは、外壁の保護。雨や雪から外壁を守ることができます。また夏の日差しを遮る役目もありますので暑い地域では軒(ひさし)を長くすることが多いですが、冬の長い十勝は逆に庇が短い方が日射取得量が多くなり、暖房負荷を軽減できるなどのメリットもあります。cubeチセでは上記を踏まえながら住宅のデザインやお客様のご希望によって軒の有る、無し、長さを決めています。

天窓とドーマー

大屋根で1階の面積が大きくなるプランでは、家の中心部まで光が届きにくくなります。そんなときに有効なのが天窓です。奥行きのある家でも、天窓があれば部屋の中心に、吹き抜けであれば、2階まで十分な光が届きます。

屋根から突き出した小さな窓を、ドーマーと呼びます。主に外観のデザインでつけることが多いドーマー窓ですが、中から見ても部屋に変化が生まれ、ヨーロッパの田舎の屋根裏部屋のような趣があります。

天窓の夏の暑さ対策

天窓は明るさの面では優れていますが、夏場、暑い日が続くとかなり高温になるのでブラインドの設置をおすすめしています。

最近は電気配線が不要なソーラータイプのものが開発されたので主にそちらを採用しています。

 塔屋という選択

レンガ外壁・塔のある3世代農家住宅|音更町・Aさま邸 

外観に塔のある住まいも素敵です。塔の屋根は六角形など多角形になり、屋根の掛け方も複雑になりますが、緻密な設計と職人の技術によって、複雑な形状にも対応し、きれいに納めています。 

薪ストーブをつけた場合煙突の設置が必要です。お客様のご要望で、薪ストーブがなくても煙突をつけることがあります。屋根に煙突、やはり可愛いですよね。

屋根の色は、外壁との組み合わせで

たくさんある屋根の色

特にご希望がない場合は、外壁とのバランスを重視してお選びいただきます。屋根単体で決めるのではなく、外観全体のなかで考えていく部分です。

メンテナンスについて

アスファルトシングルは、耐久性の高い素材です。20年以上経過した住宅でも、目立った不具合は出ていません。ガルバリウム鋼板の場合は、10年に1度程度の点検を目安としています。

まとめ

家の屋根は、家の美しさと暮らしを守る大切な存在です。 

間取りやデザイン、コスト、何を重視するかでも大きく変わります。

耐久性と外観にこだわった屋根、ご家族の暮らしにぴったりと寄り添う家づくり、ぜひご相談ください。